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証券新聞20100121

2010-01-21 (Thu) 10:34
\"20100121\"
 平成21年12月22日に、平成22年度税制改正大綱が発表されました。今回はその中で個人(所得税・住民税、相続税・贈与税)に関する主要な改正点について、ご紹介いたします。なお、今後修正等が入る可能性がありますので、その点はご了承ください。
1.証券税制
(1)自社株公開買付けのみなし配当課税の停止の特例
 上場株主が市場取引により自己株式を取得する場合には、みなし配当課税の対象から除かれます。一方、上場株式が相対取引により自己株式を取得する場合に、それに応じた株主にはみなし配当が生じるのが原則です。上場会社等の自己の株式の公開買付けをする場合も、相対取引による自己株式の取得にほかならず、原則として、みなし配当課税の対象となります。ただし、個人株主が公開買付けによる自己株式の取得に応じた場合には、特例としてみなし配当課税が停止されており、譲渡損益課税のみとなります。この特例は、平成22年12月31日まで適用される措置が講じられますが、この適用期限をもって廃止されます。
(2)みなし取得費の特例
みなし取得費の特例とは、平成13930日以前に取得した上場株式等を平成221231日までに譲渡した場合、その取得費を、平成13101日の終値の80%することができるというものです。みなし取得費の特例は、適用期限の到来をもって廃止されます。
(3)利子が支払われない公社債の譲渡益課税
譲渡益課税の対象となる公社債に利子が支払われない公社債(割引の方法により発行されるものを除く。)が追加されます。この改正は、平成2241日以後に行う譲渡について適用されます。
2.譲渡所得関係(住宅税制)
 「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等」「特定居住用財産の譲渡損失の繰越損失」は、平成211231日までの特例でしたが、適用期限が2年延長されます。「特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例」も、平成211231日までの特例でしたが、譲渡資産の譲渡に係る対価の額が2億円以下であることの要件を追加した上、その適用期限が2年延長されます。この改正は、平成2211日以後に行う居住用財産の譲渡について適用されます。
3.相続税・贈与税関係
(1)住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
平成21年度緊急経済対策の一環として導入された「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」ですが、現行500万円の非課税限度額が引き上げられます。具体的には、平成22年中は1,500万円、平成23年中に1,000万円です。ただし、適用対象となる者は贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万以下の者に限定されます。この特例の適用期限は、現行平成221231日まででしたが、平成231231日まで延長されます。
なお、この改正は、平成2211日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。ただし、平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者については、改正前の制度と選択して適用できます。
(2)住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税の特例
 住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税の特例は、特別控除2,500万円に1,000万円が上乗せされるとともに、贈与者の年齢が65歳未満であっても、相続時精算課税を選択できるという特例であり、平成211231日までが適用期限でした。今回の改正により、特別控除の上乗せ(1,000万円)の特例が廃止され、年齢要件の特例の適用期限が2年延長されます。
(3)小規模宅地等の課税の特例
 小規模宅地等の課税の特例は、相続人による居住または事業を継続する場合に、宅地の評価額を大幅に減額するという特例です。現行では、相続後に居住または事業を継続しない場合などでも一定の減額を受けることが可能という不合理があることから、見直しが行われています。
イ.相続人等が相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない宅地等(現行200m2まで50%減額)は適用対象から除外されます。
ロ.一の宅地等について共同相続があった場合には、取得した者ごとに適用要件を判定します。
ハ.一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算します。
ニ.特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた一の宅地等に限られることが明確化されます。
これらの改正は、平成2241日以後に相続又は遺贈により取得する小規模宅地等に係る相続税について適用されます。
(4)非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し
 同制度が適用されない一定の法人の株式等を会社を通じて保有する場合における認定要件の明確化を図るとともに、この場合において認定を受けた当該会社の株式等に係る納税猶予税額の計算上、当該法人の株式等相当額を算入しないこととする等の所要の見直しが行われます。
(3)その他定期金に関する権利の相続税及び贈与税の評価
 定期金に関する権利の評価は、現行評価方法による算定額と年金受取額の現在価値が大きく乖離しているとの指摘が従来からありました。今回の改正では、一定の経過措置を講じた上で、権利の評価額の見直しがなされます。
給付事由が発生している定期金に関する権利の評価額は、(イ)解約返戻金相当額、(ロ)一時金相当額(定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合)、(ハ)予定利率等を基に算出した金額のうちいずれか多い金額とされます。この改正は、平成2241日から平成23331日までの間に相続もしくは遺贈又は贈与により取得する定期金に関する権利(当該期間内に締結した契約(確定給付企業年金等を除く。)に係るものに限る。)及び平成2341日以後の相続もしくは遺贈又は贈与により取得する定期金に関する権利に係る相続税又は贈与税について適用されます。
一方、給付事由が発生していない定期金に関する権利の評価額は、原則として、解約返戻金相当額とされます。この改正は、平成2241日以後の相続もしくは遺贈又は贈与により取得する定期金に関する権利に係る相続税又は贈与税について適用されます。