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証券新聞4/21号

2016-04-21 (Thu) 14:46
「リストリクテッド・ストック(譲渡制限株式)の課税関係・税制改正」
Q.は今年、勤務先である日本法人の米国親会社から、リストリクテッド・ストック(譲渡制限株式)を付与されることになりました。
このリストリクテッド・ストック(譲渡制限株式)とは、どのような制度で、付与された個人はどのように課税されるのでしょうか。
なお、付与契約書には、(1)2年後まで継続的に勤務した場合、同日(帰属確定日)においてすべての権利が私に帰属する、(2)帰属確定日まで売却、入質または移転できず、死亡等を除き、退職や休職を行った場合は没収される、(3)株券は総務部長に交付・預託され、さらに私名義で譲渡制限株主帳簿に記入・登録され、これらは制限期間が満了するまで総務部長が保管し、制限期間が満了した時は私が保管する、(4)私は制限期間中、(2)の売却、入質または移転の権利を除き、すべての株主権(議決権および配当受領権)を有する旨の記載があります。

20160421

 
A.
1.リストリクテッド・ストックとは
リストリクテッド・ストックとは、一定期間の譲渡制限が付された現物株式を報酬として付与するものです。当該期間中は株式の譲渡が制限されるため、中長期の業績向上のインセンティブが付与され、また、株主目線の経営を促す効果を有すると考えられています。
 
2.リストリクテッド・ストックを付与された個人の課税関係
ご質問のリストリクテッド・ストックについては、過去の判例等から以下のような課税関係になると考えられます。

(1)リストリクテッド・ストックの所得区分
ご質問のリストリクテッド・ストックについては、労働役務の提供に基づき与えられるものであることから給与所得として課税されます。

(2)譲渡制限期間中の配当の所得区分
譲渡制限期間中に受け取る配当については、当該株式が制限期間を経過して初めて従業員等のものとなり、制限期間中は株主の権利として受け取るものではないと考えられることから、配当所得ではなく、給与所得として課税されるものと考えられます。

(3)リストリクテッド・ストックの課税時期
給与所得の収入すべき時期(課税時期)については、契約又は慣習により支給日が定められているその支給日、定められていない場合は支給を受けた日とされています(所通36-9)。そこでリストリクテッド・ストックの支給日(課税時期)がいつになるかについては、リストリクテッド・ストックを付与された日とする考え方もありますが、以下の理由から譲渡制限期間が経過し譲渡制限が解除された日とするのが妥当と考えられます。

a)制限期間中は対象株式の譲渡ができず、単なる期待権に過ぎないこと
b)制限期間経過後は対象株式の支給を受けられる蓋然性は高いと考えられるものの、失効する可能性もあり、それまでの間は権利として確定していないと認められること 

3.リストリクテッド・ストックに関する平成28年度税制改正
現状の日本企業の役員報酬は固定報酬が中心となっていることから業績向上のインセンティブが十分に働いていないと考えられており、機関投資家からは経営陣に中長期の業績向上のインセンティブを与えるための手段として株式報酬の導入が有効であるとの声が出ていました。
この要請に応えるため平成28年度税制改正ではリストリクテッド・ストックに関し次のような改正がありました。
役員に対し給与として支給する一定の譲渡制限株式(リストリクテッド・ストック)について、当該給与が事前確定届出給与に含まれることが明文化され、また、支給にあたり税務署への事前の届出については不要とされました。
これにより平成28年4月1日以後に交付決議された一定の譲渡制限株式(リストリクテッド・ストック)については、譲渡制限が解除される日の属する事業年度に損金算入することができるようになりました。

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